|
「ところで、なんで突然中学時代の話だったの？」 「え」 まさかこんな早くに過去を暴かれることの辛さを実感することになろうとは――。 「あんまり言いたくないかも……」 しかもつい今しがたプロポーズを受けた相手にする話じゃない、とも思う。 「気になるなぁ」 「いやぁ……ねぇ……？あ、それじゃあさっきの話のつづきをしてくれたら？」 「……それはどうだろう……」 気まずい沈黙が流れる。 もしかしたらお互い同じような話なのかもしれない。 二人がちょっと落ち込んでちょっと嫉妬してしまうような。 そしてそれを言わないのは少しの後ろめたさと大きな優しさ。 「いや、その逆かも……？」 「何が？」 今後のことがどうなるか、それは蓋を開けてみないとわからない。 |